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こちら検索探偵 | 検索とカラダを使って大調査!

みんな一度はやってみたい! 野湯の手掘り温泉を調査

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2014年1月10日

いやー、すっかり寒いです。この時期になると恋しくなるのが温泉

まあ僕の場合、一年中銭湯だの温泉だのに入りまくっているので、別にこの時期だけ、というわけでもないのですが、それでもこの冬のクソ寒い日にあったかい温泉に浸かるのは最高の娯楽であります。

試しに「温泉」でリアルタイム検索。やはり温泉の話題は多い

いやー、いいですね。温泉。記事の作成にかこつけて、経費で温泉に入れたら完全に最高だわ......。

※月イチ恒例、「こちら検索探偵」の編集会議

ヨッピー「そんなわけで、今回は『温泉に入りに行く』っていう企画にしようと思います」

編集部「うーん、それだと普通の旅番組みたいになっちゃうな~」

ヨッピー「でもほら、山奥の秘境の温泉とかなら風情もあっていいんじゃないですか?」

編集部「あ、じゃあ、『自分で温泉を掘る』っていうのはどう? 河原掘るやつとかあるじゃん? あれあれ!! あれ一度やってみたいんだよね!」

何言ってんだこいつ。

ヨッピー「え。でもああいうのってめちゃくちゃ大変だったりするんじゃないですか。山に入ったりもしなくちゃいけないだろうし」

編集部「大変だからおもしろいんじゃん~! ね! 決定で!!」

「マジかよ......」

そんなわけで、今回のこちら検索探偵は「みんな一度はやってみたい! 野湯の手掘り温泉を調査」です!

ちなみに「野湯」というのは誰も管理していない、自然の中で自噴している温泉を指すらしい。

「野湯」を検索してみると、いろいろと情報が出てきた

なんか、調べれば調べるほど大変そうな香りがプンプンしてくるんですが......!

野湯に行くのが好きな人のブログを見ていると、「道に迷って遭難しかけました^^」みたいな記述が普通に出てくる。

えー! 大丈夫なのーーーー!?

このままでは心もとないので、心強い助っ人の方に助言をいただくことにしました。その人とは......。

日本で一番温泉に詳しい人」といっても全然過言ではない、温泉チャンピオンこと郡司勇さんだーーーー!!

温泉チャンピオンに聞いてみる

郡司勇
温泉評論家、一級建築士。
テレビ東京系列で放送されていた「TVチャンピオン」における「全国温泉通選手権」で、第3回から第5回大会まで3連覇をしたことで知られる。

ちなみに「郡司勇」で動画検索をかけると、温泉ランキング動画がいっぱい出てくる

この日は、@niftyが運営する「TOKYO CULTURE CULTURE」というイベントハウスで開催されていた「温泉年間ランキング2013」というイベントに参加されていた郡司さんに突撃取材! 野湯に入るコツを聞いてみた。

僕と温泉チャンピオンこと郡司さん

ちなみに郡司さんのサイトを見ると、あちこちの野湯に突撃していることがわかる。

ヨッピー「今度『野湯に入りに行く』みたいな企画をするのですが、気をつけることってありますでしょうか......?」

郡司さん「うーん、事前の下調べをちゃんとすることですね。全国の野湯愛好家の人は、たぶん100人くらいいると思うんですが、そういう人が自分のブログで情報発信していたりするので、時間やルートなど、ちゃんと調べることが大事です」

ヨッピー「なるほど。郡司さんは、どうやって人が管理していない温泉を探すんですか?」

郡司さん「国土地理院が出している地図から温泉マークを探します。後は、その自治体とかに確認してルートを調べるんです」

ヨッピー「なるほど......」

野湯について教えてくれる郡司さん

郡司さん「でも、最初は誰かがすでに行っていて、情報を集められる場所に行った方がいいと思いますよ。情報がないと、やっぱり難しいですから。もっと詳しい情報を知りたいなら、ぜひ私の著作を読んでください

ヨッピー「商売上手や......!」

まずは行き先探し

そんなわけで、郡司さんにいわれた通り、ネットにある程度情報が載っている野湯を探してみて最初の候補にしたのがこちら。

「常布(じょうふ)の滝下温泉」

こちらは草津温泉の近くにある野湯、常布の滝下温泉。野湯愛好家の間では割と有名な温泉のようで、ネット上にも情報が多く掲載されている。

「これなら行けるかも......?」と思ったものの、郡司さんのいいつけ通り、温泉観光協会に電話して聞いてみた。

ヨッピー「あの......常布の滝下温泉に行きたいのですが......」

観光協会「あ、そこ落石で危ないんで通行禁止です

えー! 落石て!! 下手すりゃ死ぬじゃん! やっぱり野湯への道は楽じゃない!

仕方なく第二候補へ

そんなわけで、渋々探した第二の候補がこちら。

「鬼怒川 広河原」

栃木県は、鬼怒川の上流にある野湯。この広河原の湯は自分で温泉を掘ってブルーシートを張って入るらしい。おー! 楽しそう!

自治体に確認の電話をすると「今夜から雪が降るらしいので、あまりお勧めはしませんが......」とのことでしたが、やはりそこの温泉に入りに来る人はちょくちょくいるらしい。

よっしゃーー! この温泉に入りに行くどーーー!!

いよいよ出発

そんなわけで早朝、日が昇る前から集合した野湯発掘3人組。

左からイアルさん、「東京別視点ガイド」という珍スポットを探索する人気ブログを運営する松澤さん、ヨッピーこと僕、の3人。

ちなみにこの時間からおっさん3人がシャベル持って集合すると、死体を埋めに行く人にしか見えないので気をつけよう。

ヨッピー「ちなみに、温泉の場所まで車で3時間かかります」

松澤さん「はい」

ヨッピー「そして車を降りてから、さらに2時間歩きます」

松澤さん「はい」

ヨッピー「下手したら、雪が積もってます」

松澤さん「はい」

ヨッピー「行きたくないです

松澤さん「主催なのに、そういうことをいわないでください」

テンションが上がらない3人を乗せて、車は東北自動車道を栃木方面へ。

日光駅を通り過ぎる

2時間も車を走らせると、東京とは別世界に

ヨッピー「空気がきれいですね......」

松澤さん「そうですね」

ヨッピー「そろそろ帰りますか」

松澤さん「まだ目的地に着いてない」

山道に入ると、雪が見えてきた

見晴しの良い所で小休止

おお......! 絶景......!

ヨッピー「標高1425mって書いてある」

松澤さん「めちゃくちゃ寒いですね」

ヨッピー「僕、温泉に入りに来ただけなのに、なんで山に登ってるの」

松澤さん「私に聞かないでくださいよ」

いよいよ温泉へ

そんなこんなで、東京から車を走らせること3時間。いよいよ温泉への入り口に着いた。

これが一応道らしい

ヨッピー「え!? マジでここ行くの!? めちゃめちゃ雪積もってるじゃん!」

松澤さん「ここまで来て、引き返すわけにはいかないじゃないですか」

ヨッピー「えー! マジかよ......!」

仕方なく長靴を履いて、準備を始める僕

松澤さん「なんで風呂桶(ふろおけ)があるんですか」

ヨッピー「いや、温泉気分を出したいなと思って......」

余計な荷物を持ってきたせいで、バカでかいバッグを抱える羽目になった

ヨッピー「大丈夫かこれ......」

進んでいくと、何かの足跡に遭遇

足跡の大きさから「熊ではないな」と一安心する一同

ヨッピー「そういえば、途中に寄った売店でおばちゃんに『熊とか出るんですか?』って聞いたら『ん。出るよ』って普通に答えてましたね」

ヨッピー「......」

松澤さん「......」

イアルさん「......」

熊鈴をチリンチリン鳴らしながら歩く......。

都会じゃなかなか売っていない熊よけの鈴「熊鈴」もYahoo!ショッピング検索ならバッチリ買える!

ちなみに、今目指している「奥鬼怒 広河原の湯」ですが、野湯のなかではまだ行きやすい方、ということで今回目的地に設定したのに、かなり道が険しくて疲れます。

こんな丸太の上を歩いたりする

倒木を乗り越えたり

こんな急斜面を登るんだぜ......?

普段から運動をしていないおっさん3人組には、かなり辛い道のり。えっちらおっちら雪道を歩くこと、1時間弱。

急に視界が開け、目の前には広々とした河原が!!

ヨッピー「おーー! 河原に着いたーー!!」

松澤さん「あれ? でも片道2時間かかるんじゃなかったでしたっけ? まだ1時間も経ってないですよね?」

ヨッピー「うーん、たぶん歩くのが遅い人のペースで計算してたんじゃない? 僕らはほら、おっさんだけどまだ30歳前後だから、きっとペースが早かったんだよ!」

松澤さん「なるほどねぇ~~!」

広河原で温泉を探そう

だだっぴろい河原から温泉が出ている所を探す

松澤さん「湯気とか出てないですね......」

ヨッピー「これだけ雪が積もっちゃうと、真っ白で何も見えないわ......」

川に手を突っ込んでみる

ヨッピー「あ!」

松澤さん「お! どうですか!?」

ヨッピー「めちゃくちゃ冷たい。全然温泉じゃない」

松澤さん「うーん、どこなんですかねーー」

ヨッピー「お! これは!!」

あちこち探しまわっていたら、雪に埋もれたブルーシートを発見!

ヨッピー「これって前に来た人が使ったやつじゃない!? 温泉がある証拠だ!!

松澤さん「確かに......!」

そんなわけで「ここだ!」という確信を持ってあちこち掘り返してみるも......

全然温泉が見つからない

ヨッピー「まあでも余裕だから。何せ僕は『検索探偵』ですからね。困ったときは、検索で一発や!!」

ヨッピー「笑う。圏外なんですけど」

松澤さん「ちょっと! 笑いごとじゃないですよ!」

だんだん寒すぎて死にそうになってきたので、持ってきた具材で鍋を作って小休止することに

イアルさん「どうします? これ、ひょっとしたらもっと先に温泉があるんじゃないですか?」

ヨッピー「うーん、でもこの先って確認してきたけど、崩れてるのか橋が落ちたのか、道がないのよね

イアルさん「そこを乗り越えろ、ってことなんですかね......」

ヨッピー「まあ、この川を上ればもう1つ野湯があるんだけど、そこまではまたさらに2時間くらい歩かないといけなくて、往復の時間考えると下手したら日が暮れちゃうからなぁ......」

イアルさん「まあ、さすがにこの山道で日が暮れたらまずいですね。普通に遭難しそう」

ヨッピー「でしょう」

松澤さん「え。じゃあ温泉は諦めるんですか? まあしょうがないけど......」

ヨッピー「いや、諦めてなんかないよ」

松澤さん「でも、どこ掘っても温泉なんて見当たらないじゃないですか」

ヨッピー「温泉ならあるよ」

松澤さん「え? どこに?」

ヨッピー「ほら、温泉ならあるよ。ここに」

松澤さん「ここって......」

松澤「ただの川じゃないですか!!

ヨッピー「うるせーーー!! ちょっと冷たいだけの温泉なの!! オチもつけずに帰れるわけないじゃない! あれは立派な温泉で、僕は今からあの温泉に入るの!!」

ヨッピー「見てろやオラァーーーーーッ!!」

ヨッピー「これが男の......」

ヨッピー「これが男の......」

ヨッピー「露天風呂じゃああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

※周囲は氷点下1度です。絶対にマネをしないでください。

ヨッピー「これで野湯は完全に制覇や......。いいお湯やったでぇ......」

松澤さん「めちゃくちゃだ......」

ヨッピー「いや、でも思ったよりは冷たくなかったですよ。むしろ冷水の効果なのか、体がポカポカしてきました。川に温泉の成分が入ってるのかも」

松澤さん「え? 本当ですか?」

ヨッピー「マジですよマジ。松澤さんも入ってみてください」

松澤さん「えー? 本当にー?」

ヨッピー「本当だって!」

ヨッピーにだまされて、氷点下の川に入る松澤さん

松澤さん「めちゃくちゃ冷たいじゃないですか!! 殺す気か!」

ヨッピー「まあまあ」

松澤さん「『冷たい』を通り越すと『痛い』に変わるって初めて知りましたよ......」

ヨッピー「ほんと、東京から片道5時間もかけて何しに来たんですかね......」

松澤さん「片道5時間あれば関西の有馬温泉でも余裕で行けますよ......」

そんなわけで撤収する僕ら。

画像を見ていただければ、どういう道を来たのかを理解していただけると思います。

帰り道にちゃんとした温泉に寄って冷えた体を温める僕。

もともとはこういう感じの温泉を想像していたのに、どうしてこうなっちゃったんだろう......。

野湯に入るのは、難しい!

そんなわけで、今回のまとめーーー!

・結局、目的にしていた野湯はもう少し上ったところにあるみたいだ! 温泉チャンピオンの言う通り、歩く時間などをきっちり下調べしておかないと迷うぞ!

・野湯があるような所は携帯電話が圏外なことはザラ! 下調べしたものは、プリントアウトして紙で持って行った方がいいかも知れない!

・どこかに行こうと思ったら自治体に電話して確認しよう! 思わぬ通行止めなどが発生しているかもしれない!

・「冷たい」と通り越すと「痛い」に変わるぞ! よい子はマネしないでね!!

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ライターの顔写真

ヨッピー(+有限会社ノオト

フリーのライター。平日毎日更新の Webマガジン「オモコロ」(外部サイト)や「探偵ファイル」(外部サイト)で活動中。

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